10月から翌年の4月くらいまでの間は、早朝には江ノ川流域に沿った凹地を霧が厚く覆う日が多く、標高の高い山の上などからは雲海として眺めることができます。
 地球システムが徐々に異常化しつつある現代、外国語教育やプログラミング教育もいいけれど、やっぱり子供達にはもっと自然体験を深めてほしい。 そして、物理や化学、数学などの基礎科学を大事にして地球システムを定量的に正しく理解できる大人になってもらいたいものだ。

局地気象 江ノ川の雲海を見に屏風岩へ行こう!

 ← 屏風岩からの眺望(江津市桜江町大貫)
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 江ノ川流域に住んでいる人にとっては流域に発生する朝霧など特別珍しいものではないのですが、しかし、秋から冬にかけて発生する朝霧は厚く発達して流域の凹地を広く覆い、時間が経っても消えにくいのが特徴なので、この季節の間は雲海観察に適しています。

 屏風岩は、縦横38m×25m位の大きな一つの露頭で、周辺の山斜面の露頭とちゃんとつながっています。

 右の写真は、屏風岩を真下から見上げたもので、ここから屏風岩のてんぺんまで登るには露頭左側の山斜面をよじ登っていきます。 決して、露頭面を岩壁登りなどしないほうがよいと思います。
 右の写真は、流紋岩に特徴的な「流理」という岩石構造で、露頭面には流理の並行した縞模様が顕著にあります。 縞ごとに風化に対する強さが違っているので、凹凸の窪みが交互に重なって大変見やすくなっています。

 成因上、霧も雲の仲間で、特に「層雲」という種類で、観察者のいる地表面に接している層雲を特に霧というようです。 層雲をその雲頂より上から見た景色が雲海というわけですが、江ノ川流域に秋から冬にかけて発生する雲海の雲頂(雲海面)の高さは標高310m前後の位置にあり、標高340mの屏風岩からなら間近に雲海を見下ろすことができます。

 ← 雲海面が山斜面に接している付近を屏風岩から眺める
 雲海面が山斜面に接している付近を遠くから眺めると、雲海面と山斜面との境界はかなり明瞭に見えますが、間近に見ようと思って境界らしいところへ近づいていくと徐々に境界は不明瞭になり、しまいにはただ霧の中にいるだけという感じになってどこに境界があるのかわからなくなります。 したがって、雲海面の高度を測るには、雲海面と山斜面との境界付近を遠くから眺めて地形図上の等高線から判断するしかないです。

体力の限界に挑戦するつもりで行ってみてください
屏風岩から萩原山方面を眺めた雲海
(平成28年1月5日午前8時34分〜11時36分 位置:江津市桜江町大貫 屏風岩)
↓下の画像をクリックするとスライドアニメのページへリンクします

(国土地理院発行 1:25000地形図「川本」をコピーしたものに加筆)
 上の雲海は、平成28年1月5日の夜明け間もない早朝に岩城山の屏風岩へ登山して撮影したものです。 撮影開始は8時33分で撮影終了は11時35分です。 この日は早朝からずっと曇天で風もあまりなく、このため気温の上昇も鈍く雲も流れにくかったので、かなり長時間にわたって雲海が出ていました。  とにかく、夜明け間もない極寒の中を機材(といってもカメラと三脚くらいのもの)を背負って、なるべく早く屏風岩まで登らなくてはならないので大変でした。 このたびは大丈夫でしたが、去年の冬のときには全身汗びっしょりで到着したとたんに貧血がおこり、しばらく悶絶状態に陥ったことがありました。

車で行けてすごく楽な雲海観察です
萩原山から屏風岩方面を眺めた雲海
(平成27年9月22日午前6時36分〜42分 43分〜52分 位置:邑智郡邑南町日和 萩原山)
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(国土地理院発行 1:25000地形図「川本」をコピーしたものに加筆)
★只今、作成中!

車で行けてすごく楽な雲海観察で、円山城跡の見学もできる
:この雲海は三原盆地を覆った雲海で、江ノ川流域の凹地を覆った雲海ではありません、あしからず。
円山(まるやま)から三瓶山方面を眺めた雲海
(平成27年10月7日午前7時半ごろ 位置:邑智郡川本町三原 円山)
↓ 三瓶山山頂付近にレンズ雲が出ている

(国土地理院発行 1:25000地形図「川本」をコピーしたものに加筆)
★只今、作成中!


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